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スレート瓦屋根にタスペーサーがおすすめな理由

外壁塗装で見積もりを取ると『タスペーサー』という項目が入っている業者と入っていない業者があるかも‥

「タスペーサーって何?必要なの?」

と思われていませんか?

タスペーサーはスレート瓦(コロニアルやカラーベスト)を塗り替える際に使用される道具です。

タスペーサーで屋根材の下に水の通り道を作ると雨を適切に排出し、スレート瓦を塗り替える際の『雨漏りリスク』を軽減することができます。

近年は塗替え時にタスペーサーを使用する業者が増えてきましたが、タスペーサーの必要性や認知度が十分でないために、使用していない業者も存在します。

この記事では

・タスペーサーをおすすめする理由

・タスペーサーの説明と必要性

・タスペーサー設置にかかる費用

についてお伝えしていきます。

 

1.タスペーサーをおすすめする3つの訳

 

スレート屋根を塗装すると、屋根の重なり部分の隙間を塗料が覆い、上と下の素材がくっついてしまいます。

そうすると、屋根材の下に侵入した雨水の逃げ場がふさがり、雨漏りの原因になることも‥。

 

これには、隙間を覆ってしまった塗膜に隙間を空ける作業が必要となり『縁切り』といいます。

縁切りは、塗料が詰まっている部分に皮スキやカッターなどを使い、塗料をバリバリと剥がしていくのが一般的でした。
最近では、タスペーサーという道具を使い縁切りをする方法が主流となっています。
現在でもタスペーサーを使わずに、従来の方法で縁切りをする業者もいますが、タスペーサーを用いる施工には3つの利点があります。

 

①雨漏りを防ぐ

 

タスペーサーの1番の目的は塗り替え後の雨漏りを防ぐことです。

家の中に水が浸入すると、建物の木造部分が腐食をはじめます。

その後、シロアリが湿った木材を食うと家は強度を失い、劣化してしまいます。

劣化が建物の骨組みに及ぶと、補修には莫大な費用が発生し、ケースによっては建て替えになることも‥。

雨漏りリスクを避けるために実施される工程という点ではタスペーサーも皮スキなどを使った従来の縁切りも目的は同じです。

しかし、従来の縁切りでは塗料が完全に乾いていない状態で施工されると、剥がした屋根材がまた密着してしまう可能性があります。

タスペーサーでは塗料の再密着の心配がなく、確実に屋根材同士を離すことができ、雨漏りのリスクを下げることができます。

 

②屋根の美観にも有効

 

皮スキやカッターを使った縁切り手法では、密着した部分をバリバリと剥がす際に、塗装の剥がれやスレート屋根材が破損することがあります。

タスペーサーでは、屋根材と屋根材の間に挟むだけなので、屋根を傷つける心配がありません。

また、従来の縁切りでは塗装後に塗りたての屋根で作業するため、屋根が少し汚れてしまいます。

業者によっては塗りたての屋根を汚さないよう、縁切りしないという場合もあります。

もちろん、タスペーサーは下塗り工程と上塗り工程の間に設置するため塗りたての屋根を汚すことはありません。

 

③工事期間の短縮

 

一般的な規模のお住まいでは縁切りを従来工法で行う際、職人2人で約1日かかります。

また、足場の解体では塗装後に縁切り作業をするため、通常よりも1日余計にかかります。

タスペーサーは1人でおこなっても約2時間程度で終了し、塗装の工程と工程の間におこなうため、工事期間や人件費の面でも効果的です。

 

④デメリットは強風

 

最後にタスペーサーのデメリットについてお伝えいたします。

タスペーサーデメリットは台風や竜巻などの強風です。

設置されたタスペーサーが飛ぶ、又はスレート屋根材の隙間に入った強風で浮き上がり破損する可能性があります。

※メーカーの実験では、風速50(m/s)までタスペーサーが飛ぶことがないとされています。

 

2.タスペーサーが必要な訳

 

ここでは

・タスペーサーの働きについて

・タスペーサーの設置が必要な屋根

・タスペーサーの工事方法

についてお伝えします。

 

①タスペーサーで塗り替え後の雨漏りを防ぐ

 

タスペーサーとはスレート瓦の重ね目に差し込み縁切りをおこなう道具です。

では、縁切りやタスペーサーはなぜ必要なのでしょうか?

これはスレート瓦の構造を横から見た図です。

塗り替え以前は、水が通り抜ける隙間があります。

しかし塗装をすることで、塗膜が隙間をふさぎ、水が内部に留まります。


水が内部に留まると屋根材自体の劣化だけでなく、防水シートや下地の水を含む時間が長くなり、結果、雨漏りリスクが高まります。

塗り替えで防水機能が向上するはずだったのに、タスペーサーを設置しなかったことで、漏水リスクが高まるなんて‥

怖いですよね。

 

②タスペーサーが必要な屋根とは

 

タスペーサーが必要な屋根には2つあります。

①スレート屋根

スレート屋根は薄いスレートが重なっているため、他の屋根材と比べると屋根材同士の隙間が狭くなっています。
そのため、塗装をすることでさらに隙間が狭くなり、水の逃げ場がなくなります。

②屋根材同士に十分な隙間を確保

タスペーサーは塗装をすることで水が抜ける隙間が十分取れなくなった場合に必要です。

※屋根の勾配が3寸未満(およそ15°以下)の緩やかな屋根では、タスペーサーを設置する際に割れてしまったり、設置してもタスペーサーの効果が十分に得られない場合があるため、皮スキやカッターを使った従来の方法で縁切りを行います。

 

③タスペーサー設置方法

 

塗料を塗る工程には通常、下塗り1回と上塗り2回があります。
タスペーサーは下塗り後に設置し、上塗りを実施します。

1.下塗り工程

上塗り塗料の密着性を高めるため下塗りをします。

2.タスペーサー設置

下塗り塗料が乾いたらタスペーサーを挿入していきます。
初めての塗装では手で挿入します。

しかし、2回目塗装以降で前回の塗料が密着している場合は、皮スキやエスパッターという工具を使ってタスペーサーを挿入していきます。
スレート瓦1枚の幅は90センチほどあり、その両端2カ所にタスペーサーを設置します。

3.上塗り

タスペーサーを設置したまま上塗りを2回おこないます。

 

3.タスペーサーの設置費用

 

一般のお宅では、タスペーサーが700~1,000個必要となり、費用は1.5万円~5万円程度です。
従来の縁切り工法では人件費が1日余分にかかるため、5万円~6万円が必要となりタスペーサーより割高です。

 

トラブルを回避するための注意点

タスペーサーを設置してもらう際はトラブルを回避するために次のことに気をつけましょう。

・商談の際に、見積もりや工程表で「縁切り」や「タスペーサー」の項目の有無を確認しましょう。
トラブルを回避するため、口約束ではなく、必ず工事内容を書面に記載してもらいましょう。

・工事終了後はタスペーサーの設置が確認できる写真や報告書を提出してもらいましょう。
タスペーサーが設置されたか、近くまで寄らないとなかなか判断がつきません。タスペーサーが挿入されているか報告書などで必ず確認しましょう。

 

4.まとめ

 

塗装工事では水の通る隙間を確保するため、縁切りをおこなう必要があります。

タスペーサーを使用することで

①従来の縁切りよりも雨漏りのリスクを軽減

②屋根材の損傷を回避し美観を保つ

③工事期間の短縮、人件費をカットし支出を抑える

メリットが大きくなります。

スレート瓦の塗替えをご検討中の方は、タスペーサーを使用した工事がおすすめです。

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