どうして屋根は暗い色が多いの?
屋根の色は、日本家屋や粘土と深い関係があります。
一般の日本家屋では、屋根に藁葺きや茅葺きが使用されていました。
一方、天皇の御所や寺院、城郭など、しっかりとした造りでかつ権威がある建物に限り、日本瓦が使われるようになりました。
江戸時代に入ると、瓦の使用量や工法の変化により屋根の軽量化が可能となったほか、火事の対策も兼ねて一般家屋にも瓦が普及していきます。
瓦は粘土を原料としていますが、粘土は灰色が多いため、これが瓦の色の名残となっています。
熱反射率が高いことも関係しています。
特に灰色や銀色は熱反射率が高いため、室内が暑くなりにくいよう感じられる効果があります。
汚れが目立たないのも、暗めの色の特徴です。
屋根の色に限らず外壁も同様ですが、白や黒は新しいうちは格調高く見えるものの、汚れが目立ちやすいというデメリットもあり、時間と共に顕著になります。
一方、灰色など暗めの色は、埃が付着しても同化しやすく目立つことはありません。
赤など原色系の鮮やかな色は色褪せが早いという特徴があるため、経年劣化によって錆びたように見えるなど、やはり屋根に使用する色に向いているとは言えず、必然的に暗い色となります。